激戦区と地方、保活はこんなに違う
保育園入園を目指すママたちの「保活」。都内の激戦区では0歳4月の入園倍率が10倍以上という地域も珍しくありません。一方、地方では待機児童が少なく、比較的入園しやすいという声も聞きます。では実際のところはどうなのか。激戦区と地方の保活を経験した3人のママに、赤裸々なリアルを語ってもらいました。
参加者自己紹介
司会: 本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。
田中さおりさん(32歳、都内23区勤務、正社員):都内の激戦区で0歳4月入園を勝ち取りました。現在は長女が保育園に通っています。入園までの保活は本当に大変でした。
山本あかねさん(28歳、地方政令市、派遣社員):昨年、子どもを認可保育園に預けることができました。ただし、待機を覚悟していたので1年待ちました。地方ですが、枠がそこまで多くなかったんです。
伊藤ゆかりさん(27歳、地方中核市、自営業):自営業をしているので、保活の難しさが独特です。勤務先がないので、自治体から「本当に仕事をしているのか」と疑われることもありました。
激戦区と地方、点数の重みは全く違う
司会: 激戦区と地方で、保活の難易度に大きな差があると言われていますが、田中さんはどのように感じましたか。
田中さおり: 本当に違います。私が住んでいる区では、0歳4月時点で認可保育園の倍率が非常に高い傾向でした。定員40名に対して応募が300人以上という園もザラです。ここで重要なのが「点数」。1点差で明暗が分かれることは本当にあります。
山本あかね: へえ、1点ですか。私の地域だと、そこまでシビアではなかったです。待機児童の発生は年によりますが、基本的には申し込めば何らかの園には入れる状況でした。
田中さおり: そうなんですね。羨ましい。うちの区では、フルタイム共働きで加算なしの場合、点数が55点程度が標準です。でも定員を埋めるだけで60点の人たちが集まるので、一発で落ちます。
伊藤ゆかり: 私も自営業で同じような苦労がありました。労働時間の証明が難しくて、提出した書類が「十分な労働時間と認められない」と判断されたことがあります。その年の申し込みで、ほぼ点数がもらえなくなってしまい、結局認可は難しいと判断して認可外に預けました。
情報収集はこんなに違う
司会: 情報収集の方法も、激戦区と地方で違いがあるんでしょうか。
田中さおり: 激戦区では、ママ友ネットワークが非常に重要です。私も、妊娠中から保育園の情報サイトをチェックしたり、ネットの座談会に参加したり、自治体の保育コンシェルジュに何度も相談しました。「この園は今年、ここの点数の人が入った」というウワサ情報も大事です。
山本あかね: 情報収集の量が全然違うんですね。私の場合は、自治体の広報誌を読んで、開園説明会に行くくらい。SNSで激戦区のママたちの情報を見ていると、「こんなに頑張っているんだ」と驚きます。
伊藤ゆかり: 自営業の私には、さらに特殊な情報が必要でした。「自営業の保活」について書かれた記事を読み漁り、自治体の窓口に何度も電話をして、「どういう書類があれば労働時間として認められるのか」を確認しました。それでも曖昧なままでした。
田中さおり: そういう特殊な事情の人こそ、早めに自治体に相談するのが良いと思います。私も区の保育課に月1回は電話していました。
保活にかかった時間とお金
司会: 保活にかかった時間やお金について、教えていただけますか。
田中さおり: 時間的には、妊娠中から出産後まで、毎日のように園の情報をチェックしたり、ママ友と情報交換したりしていました。お金は、見学のための移動費や、書類作成代行サービスへのお金など、合計で5万円以上使ったと思います。
山本あかね: 私はそこまでではありませんでしたが、それでも園の見学に市内を移動して歩き回り、妊娠中に結構な運動量がありました。お金は3万円程度だと思います。
伊藤ゆかり: 私は労働時間を証明するための書類作成がとても手間でした。税理士に相談に行ったり、自治体に何度も電話確認したり。それでも納得のいく答えが得られず、最終的には認可外に頼ることになってしまいました。もったいないお金でした。
山本あかね: そういう状況の人には、より丁寧なサポートが必要ですね。
精神的なストレスはどれくらい?
司会: 保活のストレスについて、教えてください。
田中さおり: 妊娠中から育児中にかけて、「入園できなかったらどうしよう」という不安が常にありました。出産後、育児と情報収集を両立させるのは本当に大変でした。1月の選考発表のときは、手が震えるほどの緊張を感じました。
山本あかね: 私も1年間の待機が決定したときは、かなりショックでしたね。ただ、「いずれは入園できるだろう」という見通しがあったので、激戦区のような絶望感はなかったです。
伊藤ゆかり: 自営業という立場で、「仕事をしていないと思われているのではないか」という疑いの目を感じるストレスがありました。書類を提出しても、その判断基準が明確でないので、本当に不安でした。精神的には相当なストレスがありました。
田中さおり: そういう不透明さがストレスなんですね。激戦区でも似たような面があります。「なぜうちは落ちたのか」という理由が明確に告知されないので、その後の改善ができません。
保活に成功・失敗したあとのこと
司会: 入園後、何か思うことはありますか。
田中さおり: 入園できたときは本当に嬉しかったですが、実は入園後のほうが大変だと気づきました。仕事と育児と家事の両立です。「保活をあんなに頑張ったのに」と思うくらいです。
山本あかね: 1年待った分、入園のありがたみが大きいです。でも、その1年間に子どもの成長を見逃してしまった感覚があります。早めに入園させてあげたかったな、という気持ちもあります。
伊藤ゆかり: 認可外に預けた私は、費用が認可の3倍以上になっています。でも子どもは元気に通っているし、スタッフも手厚い。結果的には良かったと思っていますが、制度の複雑さに翻弄された感は拭えません。
これから保活をする人へのアドバイス
司会: 最後に、これから保活をする人へのアドバイスをお願いします。
田中さおり: 激戦区の場合は、保育コンシェルジュがいる自治体なら、ぜひ早めに相談してみてほしいです。客観的なアドバイスをくれますし、自分の点数がどのくらいの競争力なのか、把握できます。それと、複数の保育施設を見学して、「ここなら預けたい」という納得感を持つことも大事です。
山本あかね: 地方でも待機が発生する地域は増えています。「地方だから大丈夫」という油断は禁物です。早めに情報を集め、選考に向けた準備をすることが大事だと思います。
伊藤ゆかり: 特殊な事情がある人は、「標準的な保活」の方法が通用しないことを理解してください。自治体の窓口に何度も相談して、自分たちの状況に合わせた戦略を立てることが大事です。1人で抱え込まず、相談サービスを活用しましょう。
司会: 本日はありがとうございました。保活は地域によって全く異なるものであることが分かりました。大切なのは、早めの情報収集と、自分たちの状況に合わせた戦略立てなのだと感じます。
※ この記事は保活経験者の体験をもとに構成したものです。制度の詳細はお住まいの自治体にご確認ください。