二世帯住宅を建てる、実家の近くに住む、親に来てもらう。共働き世帯にとって心強い選択ですが、保育園の入園選考では「祖父母が近くにいる=保育をお願いできる」とみなされて点数が下がることがあります。
当サイトが収録している459自治体の公式な入園選考基準を集計したところ、296自治体(64.5%)が同居する祖父母・親族がいる場合の減点を設けていることがわかりました。うち218自治体は質問文で明確に「祖父母」を対象としています。およそ3自治体に2つという高い割合です。
この記事のデータについて
当サイトが各自治体の公式資料(利用調整基準表・入所選考基準表など)から収録した459自治体分のデータを集計しました(2026年8月時点)。全国1,741市区町村すべてを調査したものではありません。
減点幅が大きい自治体
| 自治体 | 減点幅 | 条件 |
|---|---|---|
| 北海道釧路町 | -50点 | 65歳未満の無職の祖父母と同居 |
| 秋田県横手市 | -50点 | 利用開始日に保育可能な60歳未満の同居親族がいる |
| 神奈川県綾瀬市 | -50点 | 就労等していない保育可能な同居人がいる |
| 石川県金沢市 | -40点 | 65歳未満の同居の祖父母がいて保育が可能 |
| 石川県白山市 | -40点 | 同上 |
| 北海道小樽市 | -40点 | 同上 |
| 三重県鈴鹿市 | -30点 | 60歳未満の祖父母が昼間に自宅にいる |
| 岩手県北上市 | -20点 | 同居する65歳未満の祖父母が保育にあたれる状態 |
| 千葉県松戸市 | -20点 | 同居の祖父母等から育児支援がある |
| 神奈川県逗子市 | -20点 | 65歳未満の親と同居 |
ポイント1:年齢の線引きは「65歳未満」が多い
減点の対象になるのは、多くの自治体で65歳未満の祖父母です。三重県鈴鹿市や秋田県横手市のように60歳未満とする自治体もあります。裏を返せば、祖父母が65歳以上であれば減点対象外とする自治体が多いということです。
ポイント2:祖父母が働いていれば減点されない
ここが最も重要です。減点の条件は「同居していること」ではなく、「同居していて、かつ保育ができる状態であること」です。
たとえば兵庫県小野市は「同居の祖父母(65歳未満で保育要件証明書がない場合)」に-3点と定めています。福岡県須恵町は「同居している65歳未満の保護者の父母が無職、求職中又は月64時間以上の就労をしていない場合(疾病等で保育にあたることができない場合を除く)」に-10点、鹿児島県いちき串木野市も同様に「無職、求職中又は月48時間以上の就労をしていない場合(疾病等で保育に当たることができない場合を除く)」に-5点としています。
祖父母が就労している・病気である場合は書類提出を
祖父母が働いている、疾病や障がいで保育にあたれない、といった事情があるなら、就労証明書や診断書などの「保育できないことを示す書類」を提出することで減点を避けられる自治体が多くあります。提出がないと自動的に減点される運用のため、該当する場合は必ず申告してください。
ポイント3:「同居」の定義に注意
自治体によって「同居」の範囲が異なります。福岡県須恵町は「同一世帯には、同一住所又は同一建物の場合を含む」と定めています。つまり、二世帯住宅で玄関や生計が別でも、建物が同じなら同居とみなされる可能性があります。
一方で「別居の祖父母等による保育を行っている」ことに加点する自治体(鹿児島県いちき串木野市など)もあり、近居と同居では扱いが変わります。
ポイント4:ひとり親世帯では扱いが変わることも
沖縄県豊見城市では、ひとり親世帯の加点(+12点)に対して「65歳未満の同居人(祖父母等の親族)がいる場合は-3点」という調整が組み込まれています。ひとり親でも同居family の有無で点数が変わる設計です。
二世帯・近居を検討する前に確認したいこと
- 引っ越し先(建築予定地)の自治体が、同居親族の減点を設けているか
- 年齢の線引きが何歳か(65歳未満/60歳未満など)
- 祖父母が就労・疾病等の場合に減点を回避できるか、必要な書類は何か
- 「同一建物」まで同居に含むかどうか
親世帯との同居・近居は、日々の子育てを大きく助けてくれる選択です。ただし保育園の入園選考という一点においては不利に働くことがあるため、住まいを決める前に自治体の基準を確認しておくことをおすすめします。
お住まいの自治体の実際の点数は、当サイトの保育園入園点数シミュレーターで試算できます。
このデータの引用について
本記事の集計データは、出典として「保育園入園点数シミュレーター(hoikaten.com)」を明記していただければ、記事・資料などで自由にご引用いただけます。個別の自治体の最新の取扱いについては、必ず各自治体の公式情報をご確認ください。