保育園の入園申込書には、「希望する保育園に入れなかった場合、育児休業の延長も許容できますか」という趣旨の欄が設けられていることがあります。何気なくチェックしてしまいがちなこの項目に、選考上とても大きな減点が設定されている自治体があります。
当サイトが収録する459自治体の公式な入園選考基準を集計したところ、24自治体(5.2%)がこの選択に対する減点を設けていることがわかりました。数としては多くありませんが、減点幅が極端に大きいのが特徴です。
この記事のデータについて
当サイトが各自治体の公式資料から収録した459自治体分のデータを集計しました(2026年8月時点)。全国1,741市区町村すべてを調査したものではありません。
減点幅が大きい自治体
| 自治体 | 減点幅 |
|---|---|
| 愛知県半田市 | -200点 |
| 神奈川県綾瀬市 | -200点 |
| 沖縄県豊見城市 | -150点 |
| 埼玉県飯能市 | -100点 |
| 北海道倶知安町 | -100点 |
| 兵庫県神戸市 | -90点 |
| 京都府木津川市 | -80点 |
| 大阪府堺市 | -50点 |
| 千葉県東金市 | -50点 |
| 埼玉県皆野町 | -50点 |
| 千葉県君津市 | -40点 |
| 広島県広島市・尾道市 | 各-30点 |
これらの数字は、その自治体の基本の点数と比べて考える必要があります。たとえば沖縄県豊見城市の-150点は、フルタイム共働き世帯の基本指数(父母合計40点)を大きく上回ります。神奈川県綾瀬市の-200点も同様で、事実上その年度の選考からは外れる水準です。
減点ではなく「指数を0にする」自治体も
熊本県山鹿市は、減点ではなく「聞き取り調査により育児休業延長希望の者で申込をしてきた場合、指数を0にして調整」と定めています。何点引くという話ではなく、指数そのものを0にする扱いです。
京都府京田辺市も「全体の指数合計に0を乗じる」という規定を設けています。減点という形をとらずに、実質的に選考の対象外とする仕組みです。
なぜこうした仕組みがあるのか
「入園できなければ育休を延長してもよい」という世帯より、「入園できないと復職できず困る」という世帯を優先する、という考え方に基づくものです。限られた定員をより必要度の高い世帯に配分するための調整といえます。
チェックする前に知っておきたい3つのこと
- 保留が保証されるわけではない。千葉県君津市の基準には「保留となることを保証するものではありません」と明記されています。沖縄県豊見城市も「チェックを入れても、保育園等に空きがある場合は内定となります」としています。育休延長を確実にする手段ではありません。
- 復職の意思がある人は慎重に。「入れたら復職するが、無理なら延長でもよい」という気持ちでチェックすると、減点により本当に入れなくなる可能性があります。
- 自治体によって扱いが全く違う。459自治体のうち減点を設けているのは24自治体で、多くの自治体にはこの項目自体がありません。お住まいの自治体の申込書と基準表を必ず確認してください。
逆に「復職」には加点がつくことが多い
育児休業からの復職には、多くの自治体で加点が設定されています。沖縄県豊見城市は1歳児クラスへの申込で+2点、2歳児クラスで+3点。福岡県須恵町は「一旦退園後、育休から復帰する場合」に+75点。長野県御代田町は「育休後の復職で、児童が育休前に通園していた保育園等を希望する場合」に+10点です。
復職を前提に申し込むのであれば、こうした加点の対象になるかどうかもあわせて確認しておくとよいでしょう。
まとめ
申込書の小さなチェック欄が、選考結果を左右することがあります。収録459自治体のうち24自治体がこの項目に減点を設け、最大は-200点でした。復職の意思がはっきりしているなら、安易にチェックしないことをおすすめします。
お住まいの自治体の点数は、当サイトの保育園入園点数シミュレーターで試算できます。育休延長の項目がある自治体では、チェックした場合としない場合の差も確認できます。
このデータの引用について
本記事の集計データは、出典として「保育園入園点数シミュレーター(hoikaten.com)」を明記していただければ、記事・資料などで自由にご引用いただけます。個別の自治体の最新の取扱いについては、必ず各自治体の公式情報をご確認ください。