保育園の入園選考では、保護者の就労状況などを点数化して順位をつけます。このとき「父の点数」と「母の点数」をどう1つにまとめるかは、自治体によって考え方が違います。
当サイトが収録する459自治体の公式な入園選考基準を集計した結果は次のとおりです。
| 採点方式 | 自治体数 | 割合 |
|---|---|---|
| 父母の点数を合算する | 405自治体 | 88.2% |
| 父母のうち低い方を採用する | 53自治体 | 11.5% |
| 父母の平均をとる | 1自治体 | 0.2% |
この記事のデータについて
当サイトが各自治体の公式資料から収録した459自治体分のデータを集計しました(2026年8月時点)。全国1,741市区町村すべてを調査したものではありません。
「低い方を採用」だと何が起きるか
この違いは、夫婦の働き方に差がある世帯で大きく効いてきます。仮に父がフルタイム(満点)、母が時短勤務(少し低い点数)だとします。
合算方式の場合:父の高い点数が世帯の点数を押し上げます。片方がフルタイムなら世帯としては有利になります。
低い方を採用する方式の場合:世帯の点数は母の点数で決まります。父がどれだけ長時間働いていても、世帯の点数は上がりません。
長野県御代田町は基準表で「保護者のどちらかが20点、どちらかが18点の場合、低い点数(18点)が基本点数となります」と例示しています。つまり時短勤務を選ぶかどうかが、世帯の点数に直結するのがこの方式です。
「低い方を採用」する53自治体
この方式は政令指定都市や中核市に比較的多く見られます。
横浜市、川崎市、名古屋市、福岡市、広島市、京都市、浜松市、横須賀市、豊田市、金沢市、大津市、富山市、福井市、長野市、和歌山市、呉市、下関市、久留米市、宇治市、上越市、大垣市、富士見市、長岡京市、上田市、尾道市、白山市、小樽市、厚木市、高松市、小田原市、海老名市、秦野市、小牧市、瀬戸市、稲沢市、丸亀市、大竹市、釧路町、小鹿野町、豊山町、利府町、羽島市、あま市、南アルプス市、東金市、府中町、弥富市、清水町、みよし市、野々市市、小郡市、柳川市、御代田町(計53自治体)
なお、父母の平均をとる方式は愛知県岩倉市の1自治体のみでした。
加点の効き方も変わります
「低い方を採用」する方式では、保護者ごとに付く加点の扱いにも注意が必要です。
たとえば福岡県柳川市は「保護者それぞれに点数をつけ(必要+加点)、そのうちの合計得点が低い方を対象児童の得点とする」と定めています。保育士として働いている保護者には+300点という非常に大きな加点がありますが、父母のうち一方だけが保育士の場合、世帯の点数は加点のない側で決まります。加点の大きさだけで判断すると実際の点数を読み違えることになります。
一方、ひとり親世帯の場合は保護者が1人なので、「低い方」を採る余地がなく、その保護者の点数がそのまま世帯の点数になります。
住む場所を選べるなら、方式の違いも判断材料に
共働きで、どちらかが時短勤務や短時間パートという世帯の場合、合算方式の自治体の方が有利になりやすい傾向があります。逆に夫婦とも同程度のフルタイムであれば、方式の違いによる有利不利はほとんど生じません。
引っ越し先を検討している場合や、隣接する自治体のどちらに住むか迷っている場合は、点数表の中身だけでなく「父母の点数をどうまとめるか」も比較の材料にしてみてください。
都道府県ごとの採点方式の一覧は自治体比較ページで確認できます。実際の点数は保育園入園点数シミュレーターで試算できます。
このデータの引用について
本記事の集計データは、出典として「保育園入園点数シミュレーター(hoikaten.com)」を明記していただければ、記事・資料などで自由にご引用いただけます。個別の自治体の最新の取扱いについては、必ず各自治体の公式情報をご確認ください。