子どもが生まれると、保障の考え方が変わります。それまでは自分の医療費が中心でしたが、これからは自分に何かあったときに家族が暮らせるかという話になるためです。
まず遺族基礎年金でいくら出るかを見る
「いくらの保険に入ればいいか」の前に、公的年金からいくら出るかを確かめます。ここを飛ばすと、必要以上の保険に入ることになりかねません。
国民年金に加入している人が亡くなったとき、18歳になった年度の3月31日までの子がいる配偶者、または子に遺族基礎年金が支給されます。令和8年4月分からの額は次のとおりです。
| 受け取る人 | 年額 |
|---|---|
| 子のある配偶者(昭和31年4月2日以後生まれ) | 847,300円 + 子の加算額 |
| 子の加算(1人目・2人目) | 各 243,800円 |
| 子の加算(3人目以降) | 各 81,300円 |
子どもが1人いる配偶者なら、847,300円 + 243,800円 = 年1,091,100円(月およそ9万円)になります。子どもが2人なら年1,334,900円(月およそ11万円)です。
会社員・公務員なら遺族厚生年金も加わる
厚生年金に加入している人が亡くなった場合は、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が支給されます。額は亡くなった人の報酬と加入期間で決まるため一律ではありませんが、その分だけ必要な保障は小さくなります。
自営業・フリーランスの人は遺族基礎年金だけです。同じ家族構成でも、会社員の家庭より民間の保障を厚くする必要が出てきます。ここが働き方によって答えが変わる大きな理由です。
足りない分を出す
必要な保障額は、次の引き算で見当がつきます。
これから家族に必要なお金を出す。生活費・住居費・教育費を、子どもが独立するまでの年数で見積もります。
入ってくるお金を引く。遺族年金、配偶者の収入、貯蓄、勤務先の弔慰金や死亡退職金を足します。
残った差額が、民間の保険で埋める部分です。
住宅ローンを組んでいる場合は、団体信用生命保険でローンの残りが消えることが多い点も忘れずに引いてください。ここを見落とすと、必要額を大きく見積もりすぎます。
子ども自身の保険は急がなくてよいことが多い
子どもの医療費は、多くの自治体で子ども医療費助成の対象になります。対象年齢・自己負担・所得制限は自治体ごとに違いますが、就学前は無料か少額の負担で済むところが多くあります。
そのため、子ども本人の医療保険は優先度が高くありません。それよりも親に何かあったときの保障のほうが、家計への影響が大きい部分です。順番を間違えないことが大切です。
共働きなら両方に必要
片働きの家庭では、収入のある側の保障を考えれば足ります。共働きの場合は両方に保障が要ります。どちらが欠けても世帯収入は下がり、育児の負担も増えるためです。
ただし必要額は片働きより小さくなるのが普通です。もう一方の収入が続くためで、「共働きだから2倍」ではありません。
数字を出すのが面倒なとき
ここまでの計算は、紙に書けばできます。ただ、遺族厚生年金の額や勤務先の弔慰金の有無まで含めると、自分で調べ切るのは手間がかかります。
子育て世帯向けの無料相談のような窓口では、公的な保障の確認から必要保障額の試算までを一度に進められます。その場で保険に入る必要はなく、「いくら足りないか」を知るだけでも使えます。