共働き家庭の保障については、2つの正反対の意見を耳にします。「どちらかが働けるから保障は少なくてよい」と「2人とも収入があるから2人分要る」です。どちらも一面しか見ていません。
「どちらが欠けたら何が起きるか」を分けて考える
共働きでは、欠けた側によって起きることが違います。まずそこを分けます。
| 収入 | 育児・家事 | |
|---|---|---|
| 収入の多い側が欠けた | 大きく減る | 残った側の負担が増える |
| 収入の少ない側が欠けた | 減り方は小さい | 残った側の負担が大きく増える |
見落とされやすいのは下の行です。収入が少ない側が欠けた場合でも、育児を1人で担うことになれば、残った側は働き方を変えざるを得なくなります。時短にする・残業をやめる・転職するといった形で、結果的に世帯収入が下がることがあります。
公的な保障の効き方も違う
遺族厚生年金は、亡くなった人の報酬と加入期間で額が決まります。収入が少ない側が亡くなった場合、遺族厚生年金も少なくなります。公的保障が薄いところに、育児負担の増加が重なる形です。
遺族基礎年金のほうは、子がいれば額は同じです(令和8年4月分から847,300円+子の加算)。ただしこちらも子が18歳になった年度末で終わります。
必要な額の出し方
それぞれが欠けた場合を別々に計算する。1つの数字で済ませようとすると、どちらかが合わなくなります。
残った側の働き方が変わることを織り込む。フルタイムを続けられる前提で計算すると、必要額を小さく見積もりすぎます。
保育料と学童の費用を入れる。1人で育てることになれば、預ける時間は長くなります。
住宅ローンの団体信用生命保険を確かめる。夫婦で組んでいる場合、どちらが亡くなったときにどこまで消えるかは契約の形(連帯債務・ペアローンなど)で変わります。
ペアローンは特に注意が要ります。それぞれが自分の分の団信に入る形が一般的で、片方が亡くなってももう片方のローンは残ります。「団信があるから大丈夫」と考えていると、必要額を見誤ります。
育休から復帰するタイミングで見直す
共働き家庭の保障は、働き方が変わるたびに前提が変わります。次のような節目が見直しの機会になります。
- 育休から復帰したとき(時短か、フルタイムか)
- 2人目以降が生まれたとき
- どちらかが転職・独立したとき
- 住宅を購入したとき
特に時短勤務で復帰した場合は、その期間の収入と将来の年金額の両方に影響します。復帰の形が決まった時点で一度見直しておくと、実態に合った保障になります。
2人分をまとめて見てもらう
共働きの保障は、2人をセットで見ないと答えが出ません。片方ずつ別々に相談すると、重なりや抜けが見えなくなります。
子育て世帯向けの無料相談では、世帯としての必要額を出したうえで、それぞれにどう振り分けるかまで整理してもらえます。すでに2人とも保険に入っている場合は、重なっている保障を減らして保険料を下げられることもあります。