子育て世帯が引っ越し先を選ぶとき、「待機児童数」を目安にする人は多いはずです。しかし待機児童数だけを見て判断すると、実態と食い違うことがあります。
ここでは、当サイトが収録する459自治体の公式な入園基準を集計した結果をふまえ、街選びで見るべき3つの視点を整理します。
視点1:待機児童数には「数えられていない子」がいます
待機児童数は、国が定める定義に沿って各自治体が集計しています。この定義では、次のようなケースが待機児童に含まれないことがあります。
- 認可外保育施設や自治体独自の保育室を利用しながら、認可園を待っている
- 特定の園だけを希望していて、他に空きのある園を紹介されたが辞退した
- 育児休業を延長して待っている
こうしたケースは「隠れ待機児童」「保留児童」と呼ばれます。待機児童ゼロと発表されていても、希望の園に入れるとは限らないのはこのためです。自治体によっては保留児童数もあわせて公表しているので、両方を確認するのが確実です。
視点2:点数の付き方が自治体ごとに違います
同じ働き方・同じ家族構成でも、住む自治体によって点数の出方は変わります。集計でわかった代表的な違いは次の3つです。
父母の点数を合算するか、低い方だけを採るか
405自治体(88.2%)が合算方式、53自治体(11.5%)が低い方を採用していました。夫婦のどちらかが時短勤務の世帯では、この違いが結果を左右します。
同居する親族がいると減点されるか
296自治体(64.5%)が同居する祖父母・親族がいる場合の減点を設けていました。実家の近くや二世帯を検討している場合は必ず確認したい項目です。
市外在住だと減点されるか
150自治体(32.7%)が市外在住者への減点を設けていました。引っ越し前に申し込む場合、この扱いが結果を分けることがあります。
「入りやすい街」は世帯によって違います
たとえば夫婦ともフルタイムなら採点方式の違いはほとんど影響しませんが、片方が時短なら「合算方式の自治体」が有利になります。親と同居する予定があるなら、同居減点のない自治体を選ぶ意味が出てきます。一般的なランキングではなく、自分の世帯の条件で比べることが重要です。
視点3:加点で挽回できる余地があるか
点数は減点だけでなく加点でも動きます。自分が該当しうる加点が用意されているかを見ておくと、実際の順位が読みやすくなります。
- きょうだい加点:448自治体が設けており、ほぼ全ての自治体にあります。上の子が在園していれば有利になります
- 保育士加点:153自治体が設けています。保護者が保育士なら大きな加点が期待できます(最大は福岡県柳川市の+300点)
- 小規模保育・地域型の卒園加点:112自治体。3歳での転園を見据えるなら確認したい項目です
- 単身赴任加点:99自治体。転勤の可能性がある世帯には関係します
実際に比べるには
- 候補の自治体を2〜3に絞る
- 各自治体の採点方式と最高点数を比べる(都道府県別の比較ページで一覧できます)
- 自分の世帯の条件で点数を試算する(保育園入園点数シミュレーター)
- 自治体が公表している「入園者の最低点数(ボーダー)」があれば照合する
4の最低点数を公表している自治体では、自分の点数が届きそうかを具体的に判断できます。公表していない自治体でも、点数の仕組みを理解しておけば「何が足りないか」は把握できます。
物件を決める前の確認事項は物件を決める前に確認したい、保育園の5つのチェックポイントにまとめています。
このデータの引用について
本記事の集計データは、出典として「保育園入園点数シミュレーター(hoikaten.com)」を明記していただければ、記事・資料などで自由にご引用いただけます。個別の自治体の最新の取扱いについては、必ず各自治体の公式情報をご確認ください。