就労証明書は、保護者が働いていることを勤務先に証明してもらう書類です。保育園の申込書類として知られていますが、それだけの書類ではありません。学童保育でも、幼稚園の預かり保育でも、同じ書類を求められます。
様式は国が決めている
就労証明書の様式は、子ども・子育て支援法施行規則(平成26年内閣府令第44号)の様式第一号として定められています。令和6年内閣府令第84号によって令和6年9月30日に公布・施行され、令和7年度の利用調整事務から、この標準的な様式を原則として使うことになりました。
つまり就労証明書は、自治体がそれぞれ勝手に作っている書類ではなく、国が様式を決めた全国共通の書類です。転居しても書式が大きく変わることはありません。
こども家庭庁は、標準的な様式をPDFとExcelの両方で公開しています。勤務先に「様式が手元にない」と言われたときは、このExcel版を渡すと話が早く進みます。
保育園以外でも使う
就労証明書が必要になるのは、次のような手続きです。
- 認可保育所・認定こども園・地域型保育の利用申込
- 放課後児童クラブ(学童保育)の入所申込
- 幼稚園の預かり保育(新2号認定を受ける場合)
- 保育の必要性の認定申請、在園中の現況届
- 企業主導型保育、病児保育、一時預かりの利用登録
自治体によっては、この兼用をはっきり打ち出しています。たとえば静岡市は就労証明書を「保育所・認定こども園・幼稚園・放課後児童クラブ兼用」として、きょうだいで保育所と学童に同時に申し込む場合でも保護者1人につき1枚あればよく、コピーで対応できるとしています。
下の子が保育園、上の子が学童、という家庭は多いはずです。勤務先に依頼する前に、お住まいの自治体が兼用にしているかを確認してください。兼用なら、勤務先に頼む手間が半分になります。
何を書いてもらう書類なのか
標準様式は、上部に証明する側(勤務先)の情報、その下に19項目の記載欄という作りです。1から18が勤務先の書く欄で、19の「保護者記載欄」だけは保護者が書きます。
勤務先が書く欄
- 証明日
- 事業所名、代表者名、所在地、電話番号
- 担当者名、記載者連絡先
勤務先が書く18項目
| No. | 項目 | 何を書くか |
|---|---|---|
| 1 | 業種 | 建設業・製造業・医療福祉など、「その他」を含めて19区分から選ぶ |
| 2 | 本人氏名 | フリガナと生年月日も |
| 3 | 雇用(予定)期間等 | 無期か有期か。有期なら期間 |
| 4 | 本人就労先事業所 | 実際に働く場所の名称と住所 |
| 5 | 雇用の形態 | 正社員・パート・派遣・自営業主など、「その他」を含めて13区分 |
| 6 | 就労時間 | 固定就労と変則就労で書き方が分かれる |
| 7 | 就労実績 | 直近3か月の日数と時間数 |
| 8 | 産前・産後休業の取得 | 予定・取得中と期間 |
| 9 | 育児休業の取得 | 予定・取得中・取得済みと期間 |
| 10 | 産休・育休以外の休業 | 介護休業・病休など |
| 11 | 復職(予定)年月日 | 復職予定か復職済みか |
| 12 | 育児のための短時間勤務制度 | 利用の有無と時間帯 |
| 13 | 保育士等としての勤務実態 | 保育士等への加点がある自治体で使う |
| 14 | 契約満了後の更新の有無 | 有・有(予定)・無・未定 |
| 15 | 入所内定時の育休短縮可否 | 内定したら育休を早めに切り上げられるか |
| 16 | 育休延長可否 | 可・可(予定)・否 |
| 17 | 単身赴任期間 | 予定を含む期間 |
| 18 | 備考欄 | 補足があれば |
保護者が書く欄(19)
19は「保護者記載欄」で、ここだけは保護者が記入します。きょうだいについて、児童名・生年月日・施設名と、その施設を「利用中」か「申込中(第一希望)」かを書く欄が3人分あります。
きょうだいがいる家庭は、この欄を空欄にしないでください。きょうだいが同じ園にいることを加点する自治体は多く、ここが判断の材料になります。勤務先から返ってきたあとに、自分で記入します。
点数に直接ひびくのは6の就労時間と7の就労実績です。ここが空欄だったり、契約上の時間だけで実態と食い違っていたりすると、点数が下がることがあります。
本人が書いてはいけない
標準様式には、次の一文が印刷されています。
本証明書の内容について、就労先事業者等に無断で作成し又は改変を行ったときには、刑法上の罪に問われる場合があります。
証明書である以上、当然ですが、勤務先が証明する欄(1から18)を本人が書いたり書き換えたりしてはいけません。勤務先の記入漏れを見つけたときも、自分で埋めずに勤務先に修正を依頼してください。
ただし19の「保護者記載欄」は保護者が書く欄です。ここは自分で記入して構いません。
「担当者が忙しそうだから空欄だけ自分で埋めておこう」は絶対にやめてください。私文書偽造にあたる可能性があります。時間がかかっても勤務先に差し戻すのが正しい対応です。
自営業・フリーランスの場合
雇用の形態には「自営業主」「自営業専従者」「家族従業者」「内職」「業務委託」も用意されています。自分で自分の就労を申告する形になるため、多くの自治体で確定申告書の控えや開業届の写しなど、裏づけの書類をあわせて求められます。詳しくは自営業・フリーランス向けの記事で説明します。
いつ用意するか
勤務先に依頼してから受け取るまで、2週間程度みておくと安全です。大きな会社ほど本社の人事部を経由するため時間がかかります。4月入園の一次申込は多くの自治体で11月から12月にかけて締め切られるので、10月中には依頼を出しておきたいところです。
なお、証明日から何か月以内のものが有効かは自治体によって違います。申込のしおりで必ず確認してください。