転勤の内示が出たとき、子育て世帯が迫られるのが「家族で引っ越すか、単身赴任にするか」という選択です。この判断は、保育園の入園選考にも直接影響します。
当サイトが収録する459自治体の公式な入園選考基準を集計したところ、99自治体(21.6%)が単身赴任などで保護者の一方が不在の世帯に加点していることがわかりました。
この記事のデータについて
当サイトが各自治体の公式資料から収録した459自治体分のデータを集計しました(2026年8月時点)。全国1,741市区町村すべてを調査したものではありません。
なぜ単身赴任が加点されるのか
保育園の選考は「家庭で保育できない度合い」を点数化する仕組みです。保護者の一方が単身赴任で家にいない世帯は、実質的にひとり親に近い状態で子育てをしていると評価されます。そのため多くの自治体が加点の対象としています。
単身赴任に加点する自治体
| 自治体 | 加点 | 備考 |
|---|---|---|
| 福岡県須恵町 | +25点 | 父母の一人が単身赴任、3か月以上入院などにより不在 |
| 福岡県福岡市・久留米市 | 各+15点 | 保護者のどちらかが単身赴任中 |
| 岐阜県羽島市 | +15点 | 個人の特殊事情(補正点数) |
| 鹿児島県日置市 | +12点 | 単身赴任等により保護者の1人が常時家にいない |
| 大阪府枚方市・羽曳野市・富田林市・交野市 | 各+10点 | 単身赴任中 |
| 長野県長野市 | +10点 | 保護者の一方が不在(単身赴任、海外勤務) |
| 長野県御代田町 | +5点 | 保護者一方の不在(単身赴任等) |
| 京都府向日市 | +3点 | 保護者のいずれかが就労のために市外に別居 |
加点には条件があります
単身赴任なら自動的に加点されるわけではありません。条件を確認しておきましょう。
- 距離の条件:沖縄県豊見城市は「単身赴任世帯(本島外に限る)」と、赴任先の距離を条件にしています
- 同居親族の有無:鹿児島県いちき串木野市は「父母の一方が単身赴任の場合(同居親族がいない場合のみ)」としています。実家の親などが同居していれば加点されません
- 住民票の状況:鹿児島県日置市は「単身赴任等により、保護者の1人が常時家にいない(住民票上の市外住所である場合)」と定めています
- 証明書類:沖縄県豊見城市は「単身赴任している者の住民票が必要」、京都府向日市は「就労証明書の就労者に関する事項欄に事業所からの証明を受けている場合は不要。受けていない場合は、単身赴任先における居住実態がわかる書類(居住先の賃貸借契約書、不動産売買契約書)」と、必要書類まで明示しています
家族で引っ越す場合に確認したいこと
家族全員で転居する場合は、単身赴任の加点は使えません。代わりに次の点が関わってきます。
- 市外在住の減点:申込時点で住民票が移っていない場合、150自治体(32.7%)が減点を設けています。転入確約書で回避できることが多いため、こちらの記事を確認してください
- 転園の扱い:すでに通園中なら、転園に減点を設ける自治体が143あります。ただし転居は正当な理由とされることが多く、この記事で条件を整理しています
- 引っ越し先の採点方式:父母の点数を合算するか低い方を採るかで、共働き世帯の有利不利が変わります
判断の材料として
単身赴任は家族にとって大きな負担です。保育園の点数だけで決める話ではありませんが、「引っ越し先で保育園に入れるかどうか」が判断材料の一つになるのは確かです。
転勤先の自治体で家族全員が転居した場合の点数と、単身赴任を選んで現住所に留まった場合の点数。両方を試算して比べてみると、判断の助けになります。保育園入園点数シミュレーターでは459自治体の公式基準に沿って試算できます。
このデータの引用について
本記事の集計データは、出典として「保育園入園点数シミュレーター(hoikaten.com)」を明記していただければ、記事・資料などで自由にご引用いただけます。個別の自治体の最新の取扱いについては、必ず各自治体の公式情報をご確認ください。