就労証明書の標準的な様式(こども家庭庁)は、1枚目が記入欄、3ページ目から6ページ目が国の記載要領です。勤務先の担当者が迷う点は、ほとんどこの記載要領に答えが書いてあります。ここでは証明者欄とNo.1〜19を、記載要領の順に1つずつ説明します。
この記事は国の記載要領の言い換えです。押印の要否、証明日から何か月以内なら有効か、自営業の添付書類などは自治体ごとに決まっているので、自治体で何が違うかとお住まいの自治体の記事で確かめてください。
先に知っておく3つの原則
- 年はすべて西暦で書きます。証明日、生年月日、雇用期間、休業の期間、すべてです。
- No.6の就労時間は雇用契約上の時間です。実際に働いた時間(実績)はNo.7に別で書きます。
- No.1〜18は勤務先が書き、保護者が書くのはNo.19だけです。記入漏れを見つけても自分で書き足さず、勤務先に戻します。
証明者欄(用紙の右上)
| 欄 | 書き方 |
|---|---|
| 証明日 | 証明書を発行した日。西暦で書く |
| 事業所名 | 証明書の発行に責任を持つ企業・組織・団体の名称(法人名)。個人事業主は事業者の名称 |
| 代表者名 | 法人の代表者や個人事業主の氏名。代表者がいない場合や、証明する権限を代表者以外に与えている場合は、その権限を持ち内容に責任を持つ人の氏名 |
| 所在地 | 証明書を発行する事業所の住所。本人が働いている場所の住所ではない(本人の勤務地はNo.4に書く) |
| 電話番号 | 証明書を発行する事業所の電話番号 |
| 担当者名/記載者連絡先 | 自治体から内容の問い合わせを受けるときの担当者名と電話番号 |
「所在地」を本人の勤務地で書いてしまう間違いが起きやすい欄です。本社が証明を出すなら本社の住所、本人が支店で働いているなら支店の住所はNo.4に書きます。
No.1 業種
農業・林業から公務まで18区分と「その他」のチェック欄があります。現在の就労状況に当てはまるものにチェックを入れ、どれにも当てはまらないときは「その他」にチェックしてカッコ内に簡潔に書きます。
No.2 フリガナ・本人氏名・生年月日
証明の対象となる本人の氏名とフリガナ、生年月日を書きます。生年月日の年は西暦です。
No.3 雇用(予定)期間等
- 「無期」か「有期」にチェック
- 無期なら雇用開始日だけを書く
- 有期ならその期間(始期と終期)を書く
- 契約内容の変更を予定している場合は、変更前の契約が終わる日を終期にする
有期にチェックしたときは、No.14(契約満了後の更新の有無)も埋めてもらう必要があります。
No.4 本人就労先事業所
右上の証明者欄と違う場所で働いている場合だけ、本人が実際に働いている事業所の名称と住所を書きます。
- 働く場所が複数あるときは、主たる就労先の住所
- 決まった就労場所が無いときは、自宅など、就労時に本人が主にいる場所
在宅勤務が中心なら自宅の住所になる、という整理です。通勤時間を点数に反映する自治体があるので、本社の住所で書かれていないかを確認してください。
No.5 雇用の形態
正社員・パート・アルバイト・派遣社員・契約社員・会計年度任用職員・非常勤・臨時職員・役員・自営業主・自営業専従者・家族従業者・内職・業務委託・その他の中から1つにチェックします。記載要領で決まっている区別は次のとおりです。
| 迷いやすいケース | 記載要領の整理 |
|---|---|
| 自営業 | 「自営業主」(個人事業主・経営者・代表者など)、「自営業専従者」、「家族従業者」(自営業主と親族関係にあり生計を一にし、その事業に無給で従事している人)のいずれか |
| 契約社員で会計年度任用職員でもある | 「会計年度任用職員」にチェック |
| パート・派遣・契約社員・会計年度任用職員のどれでもない非常勤・臨時職員 | 「非常勤・臨時職員」にチェック |
| どれにも当てはまらない | 「その他」にチェックして簡潔に書く |
No.6 就労時間(固定就労の場合)
曜日ごとの勤務がほぼ決まっている人はこちらに書きます。変則就労の欄と両方に書かないでください。
就労日
月・火・水・木・金・土・日・祝日のうち、通常の就労日すべてにチェックします(複数選択可)。
合計時間(月間)
ここが点数に直結する欄です。記載要領の決まりは次のとおりです。
- 雇用契約に基づく就労時間を書く。実際に働いた時間(実績)ではない
- 育児短時間勤務(時短)を利用していても、制度を利用する前の就労時間を書く(時短後の時間はNo.12に書く)
- 契約で週当たりの時間が決まっているなら、4(週)を掛けた時間を書く
- 契約で年当たりの時間が決まっているなら、12(月)で割った時間を書く
- 残業時間は除く(契約上の時間だから)
- 休憩時間は含める(就業規則等で決まっている休憩に限る)。そのうえで、休憩時間の月間合計を「うち休憩時間」の欄に別に書く
週30時間の契約なら「120時間」、週40時間なら「160時間」です。休憩を除いた実働で書いてしまうと、たとえば1日8時間(休憩1時間を含む)・月20日の人が「140時間」になり、点数の刻みを1つ落とすことがあります。休憩は含めて書き、休憩の合計は別欄に書く、が国の決まりです。
一月当たり・一週当たりの就労日数
- 雇用契約に基づく日数を書く。実績ではない
- 月当たりの日数が決まっている契約なら、週当たりの欄には4で割った日数
- 週当たりの日数が決まっている契約なら、月当たりの欄には4を掛けた日数
- 年当たりの日数が決まっている契約なら、月当たりは12で割った日数、週当たりは48で割った日数
平日・土曜・日祝の就労時間帯
- 24時間表記で書く
- 夜間勤務など日をまたぐときは0時〜29時の幅で書く。22時から翌朝5時までなら「22時00分〜29時00分」
- 時間帯には休憩を含め、その時間帯の中の休憩時間(分)を「うち休憩時間」に書く
- 平日・土曜・日祝のどれかに就労が無ければ、その行は空欄でよい
No.6 就労時間(変則就労の場合)
日々の就労時間が決まっていない人(シフト制など)はこちらに書きます。
合計時間(月間または週間)
- 雇用契約に基づく時間を書く。実績ではない。時短中でも制度利用前の就業規則上の時間
- 契約で1日当たりの時間が決まっているなら、5(日)を掛けて週間の時間を書く
- 週間で書いた場合、自治体はその4倍を月の就労時間とみなす
- 残業は除き、休憩(就業規則等で決まっているもの)は含める。休憩の合計時間も別に書く
就労日数
一月当たりまたは一週当たりの、契約に基づく日数。年当たりで決まっている契約なら、月当たりは12で割り、週当たりは48で割ります。
主な就労時間帯・シフト時間帯
- 24時間表記、日をまたぐときは0時〜29時の幅
- 最も可能性の高い(勤務回数の多い)時間帯を書く。コアタイムの定めが無くても、想定される最も標準的な時間帯を書く
- シフト勤務の人は、自治体が保育の必要性を認定するためにシフト表の追加提出を求めることがある
No.7 就労実績
直近3か月の、1か月当たりの就労日数と就労時間数を書きます。No.6と違って実際に働いた実績です。数え方は次のとおりで、No.6とは逆の扱いになる点があります。
| No.6 就労時間(契約) | No.7 就労実績 | |
|---|---|---|
| 有給休暇の日 | ― | 就労日数に含める |
| 残業時間 | 除く | 含める |
| 休憩時間 | 含める | 含める |
| 時短勤務中 | 制度利用前の時間 | 制度を利用したうえでの実績(実際に働いた時間) |
- 新しい年月から順に書く(例: 6月、5月、4月)
- 育児休業などで直近3か月に1か月分の実績が無いときは、休業前の(産休・育休を取った月を除いた)実績を書く
- 新規採用などで実績が無いときは、今後の就労見込みを書く
- 年は西暦
No.8 産前・産後休業の取得
- 「取得予定」か「取得中」にチェックし、期間を書く
- 法律上の産前・産後休業に限らず、会社独自の就業規則に基づく休業も含む
- 終了日が確定していなくても、終了予定日を書く
No.9 育児休業の取得
- 「取得予定」「取得中」「取得済み」のどれかにチェックし、期間を書く
- 法律上の育児休業に限らず、会社独自の制度による休業も含む
- 終期が確定していなくても、終了予定日を書く。取得済みなら実績を書く
- 複数当てはまるとき(今取得中で、過去にも取ったことがある、など)は、証明日の状況に一番近いものをNo.9に書き、残りはNo.18の備考欄に書く
No.10 産休・育休以外の休業の取得
介護休業・病休・その他の休業です。書き方はNo.9と同じで、「取得予定」「取得中」「取得済み」のチェックと期間、それに休業の理由(介護休業・病休・その他)にチェックします。会社独自の休業も含み、複数あれば証明日に近いものを本欄、残りは備考欄です。
No.11 復職(予定)年月日
- 証明書を発行する事業所で取得中(または取得予定)の育児休業等を終えて復職する予定があるなら、「復職予定」にチェックし、復職予定日を書く
- 1年以内にその事業所で取得した育児休業等から復職済みなら、「復職済み」にチェックし、復職した日を書く
育休からの復職を前提に申し込む人は、この日付が入所の可否を左右します。「入園できたら復職する」という順序なので、実際に復職できる日を書いてもらってください。自治体ごとの復職期限(入園月の翌月末までに復職、など)は各自治体の記事で確認できます。
No.12 育児のための短時間勤務制度利用有無
- 時短制度を利用してNo.6の時間より短く働く予定がある、または利用中なら、「取得予定」か「取得中」にチェック
- 利用(予定)期間と、制度利用後の主な就労時間帯を書く
- No.6には制度利用前の時間帯、No.12には制度利用後の時間帯、という分担
時短中の人の証明書で起きやすい取り違えがここです。No.6を時短後の時間で書き、No.12が空欄だと、単に勤務時間の短い人として扱われる可能性があります。No.6はフルタイム相当の契約時間、No.12に時短後、が国の様式の設計です。
No.13 保育士等としての勤務実態の有無
保育士・幼稚園教諭・保育教諭として働いているかを「有」「有(予定)」「無」で答えます。保育士等に加点する自治体がこの欄を使います。
No.14 (雇用契約の)満了後の更新の有無
No.3で「有期」にチェックしたときに、契約満了後の更新について「有」「有(予定)」「無」「未定」のどれかにチェックします。
No.15 入所が内定した場合の育児休業の短縮可否
育休の終了予定日より前に入所が内定した場合、育休を短縮して内定日から復職できるかを「可」「可(予定)」「否」で答えます。
No.16 育休延長可否
育児休業を延長できるかを「可」「可(予定)」「否」で答えます。
No.17 単身赴任期間(予定含む)
単身赴任の期間を書きます。終期が未定なら終期の欄は空欄で構いません。年は西暦です。
No.18 備考欄
記載要領が備考欄に書くよう挙げているのは、次の3つです。
- No.6の時間帯を超えて拘束時間がある場合(就業規則の始業15分前に出勤しなければならない、などの出退勤時間の特例)
- No.9・No.10で本欄に書ききれなかった休業の取得実績
- その他の特記事項
記載要領には、農地面積など個人事業主等に関する事項に限って、市区町村が独自の記載を求めてよいとあります。自営業の人は、自治体がこの欄に何を求めているかを確認してください。
No.19 保護者記載欄
19項目のうち、保護者が書くのはこの欄だけです。
- 児童名と生年月日
- 施設の名称と、「利用中」か「申込中(第一希望)」のチェック
3人分の欄があります。きょうだいで申し込むときは、それぞれの児童名・生年月日・施設名を書きます。勤務先から戻ってきた証明書に、提出前に自分で書き入れてください。
点数にどう効くか
多くの自治体は、No.6の月の就労時間を刻みに当てはめて基本の点数を決めます。週の時間で契約している人は4倍、1日の時間で契約している人は5倍して4倍、という換算を勤務先がするので、契約書に「週30時間」とあれば証明書は「月120時間」になります。自治体の点数の刻みと、その刻みでいくつになるかは点数シミュレーターで確かめられます。
提出前に自分で見るところ
- 証明日が入っているか(西暦か)
- 証明者欄の担当者名と電話番号が入っているか
- No.6が固定就労・変則就労のどちらか一方だけに書かれているか
- No.6の「うち休憩時間」が空欄でないか
- No.7が3か月分、新しい月から順に入っているか
- 時短中ならNo.12が埋まっているか
- 有期契約ならNo.14が埋まっているか
- No.19を自分で書いたか
足りない欄を見つけても、自分で書き足してはいけません。様式には「就労先事業者等に無断で作成し又は改変を行ったときには、刑法上の罪に問われる場合があります」と印刷されています。勤務先に戻して直してもらってください。