子育てにかかるお金のうち、国が全国一律で決めているものと自治体が決めているものがあります。引っ越すと変わるのは後者です。何が変わるのかを先に押さえておくと、転居先の比較がしやすくなります。
変わらないもの
まず安心してよい部分から。次のものは全国共通です。
- 出産育児一時金(子ども1人につき原則50万円)
- 健康保険・高額療養費(帝王切開などの医療費)
- 育児休業給付金(雇用保険)
- 出産手当金(健康保険の被保険者)
- 児童手当(額は国の制度で決まっている)
- 妊婦のための支援給付(5万円+こどもの人数×5万円)
変わるもの
| 確かめること | どう変わるか |
|---|---|
| 1. 子ども医療費助成 | 対象年齢、自己負担、所得制限。就学前まで/中学まで/18歳年度末までなど |
| 2. 保育料 | 0〜2歳児クラスの額。階層区分も金額も自治体が定める |
| 3. 多子軽減の数え方 | 上の子を第何子として数えるかの条件 |
| 4. 妊婦健診の助成 | 回数と1回あたりの金額 |
| 5. 産後ケア | 実施している形(宿泊・日帰り・訪問)と自己負担 |
| 6. 認可外への補助 | 自治体独自の上乗せがあるか |
| 7. 保育園の入りやすさ | 点数の基準、加点の付き方、空き状況 |
金額として効いてくるのは1(医療費)と2(保育料)です。医療費助成が手薄な自治体に移ると、通院のたびに自己負担が出ます。保育料は0〜2歳児クラスの間、毎月効いてきます。
入園の途中で引っ越すとき
年度の途中で引っ越すと、保育園を移る必要が出てきます。ここは費用よりも入れるかどうかの問題になります。
- 転入先で新たに申し込むことになる(在園していた実績が引き継がれるとは限らない)
- 転入予定の段階で申し込めるかは自治体によって違う
- 年度途中の空きは限られるため、希望する園に入れないことがある
点数の基準も自治体ごとに違うので、同じ状況でも入りやすさが変わります。転入先の自治体のページで基準を確かめておくと見通しが立ちます。
妊娠中・産後の引っ越しで忘れやすいこと
妊婦健診の受診票を交換する。転出前の受診票は使えなくなります。未使用分を持って転入先の窓口へ。
妊婦のための支援給付の状況を伝える。1回目を受け取り済みか、2回目がまだかで手続きが変わります。
子ども医療費の受給者証を切り替える。転入手続きと同時にできることが多いです。
児童手当の手続きをやり直す。転出・転入の届出が要ります。忘れると支給が止まります。
児童手当は転入から15日以内に申請しないと、遅れた月分が受け取れなくなることがあります。引っ越しの荷ほどきより先に済ませてください。
転居先を比べるときの見方
子育て支援の手厚さで住む場所を選ぶ人は増えていますが、助成の額だけで比べると見誤ります。次の点もあわせて見てください。
- 助成が手厚くても保育園に入れなければ意味が薄い
- 家賃や物価が高ければ、助成の差は相殺される
- 助成の内容は変わることがある(財政状況で見直される)
- 通勤時間が延びれば、預ける時間も延びる
保障のほうも見直す機会になる
引っ越しは、保険を見直す自然なきっかけでもあります。住居が変われば火災保険も変わり、そのときに個人賠償責任特約が付いているかを確かめられます。子ども医療費助成が手薄な自治体に移るなら、子どもの医療費の考え方も変わります。
住宅を購入する場合は、団体信用生命保険でどこまで保障されるかが必要保障額に直結します。いま入っている保険が新しい状況に合っているかを確かめる機会として使えます。判断に迷う部分は子育て世帯向けの無料相談で、まとめて見てもらう手もあります。