佐賀市の子どもの医療費助成制度は、令和8年(2026年)1月1日から助成対象を高校生年代(18歳年度末)まで拡大しました。特徴的なのは佐賀県外でも指定された医療機関なら資格証が使えることです。ここでは市の公式情報をもとに整理します。
保護者負担額は年代で少し違います
保護者負担額は医療機関ごとまたは調剤薬局ごとに1月当たりで計算されます。
| 年代 | 入院 | 通院 | 調剤 |
|---|---|---|---|
| 0歳〜小学校就学前 | 1,000円 | 上限500円を2回まで | 負担なし |
| 小学生・中学生・高校生年代 | 上限1,000円 | 上限500円を2回まで | 上限500円を2回まで |
窓口での請求額が500円未満の場合は、その額で1回とみなします。たとえば300円だった場合、300円を払って「1回」を消化する形になります。
調剤は処方せん1枚を1回とし、薬局で処方せんを受け付けた順に制度を適用します。未就学児は調剤の負担がありません。
助成対象は入院・通院・調剤にかかる保険診療分の医療費です(高校生年代は令和8年1月1日受診分から)。
県外でも指定病院なら資格証が使えます
受給資格証は未就学児が緑色、小学生・中学生・高校生年代がクリーム色です。使用できる医療機関は色によって違います。
| 資格証 | 使用できる医療機関等 |
|---|---|
| 緑色(未就学児) | 県内の医療機関、調剤薬局 県外の指定医療機関… 福岡市立こども病院、聖マリア病院、久留米大学病院、佐世保市総合医療センター、佐世保共済病院、九州大学病院 |
| クリーム色(小中高) | 県内の医療機関、調剤薬局 県外の指定医療機関… 聖マリア病院、久留米大学病院(令和7年1月1日受診分から) |
多くの自治体は「県外では医療証が使えない」と一律に決めていますが、佐賀市は県外でも通うことが多い病院を名指しで指定しています。未就学児の緑色の資格証は福岡・長崎の6病院まで対象です。
上記以外を受診した場合は、市役所に助成申請が必要になります。
マイナンバーカードで資格確認できる医療機関が増えています
佐賀市はデジタル庁から「令和6年度医療費助成先行実施事業自治体」の採択を受け、令和7年3月12日からPMH(Public Medical Hub)の運用を開始しました。
PMHの導入により、医療機関・薬局を受診する際にマイナンバーカードで佐賀市子どもの医療費助成の資格確認もできるようになりました。対応医療機関等は順次拡大中なので、利用の可否は受診する医療機関・薬局へ尋ねてください。事前にマイナンバーカードの保険証利用登録が必要です。
なお資格証は従来どおり交付され、受診時も引き続き利用できます。
助成の対象になるもの・ならないもの
対象になるもの(健康保険適用の医療費)。
- 保険診療による一部負担金
- 養育医療(未熟児)や育成医療(身障児)などの公費負担医療の自己負担金
- 訪問看護療養費や療養費(治療用装具など)の自己負担金
対象にならないもの(健康保険適用外の医療費)。
- 健康診断や予防接種の費用
- 入院時食事療養費
- 差額ベッド代、おむつ代
- 200床以上の病院を紹介状なしで受診した時に支払う初診加算料
- 文書料など
資格証は治療用装具等の支払いには使用できません。治療用装具の自己負担金は助成の対象ですが、市役所に助成申請をする形になります。
申請と資格証
制度を利用するには、事前に「子どもの医療費受給資格証」の交付申請が必要です。
手続きに必要なもの
- 子どもの加入医療保険情報のわかるもの
- 保護者名義の預金通帳(またはキャッシュカード)
- 子どもの医療費受給資格証交付申請書(窓口申請時)
- 保護者のマイナンバーカード(オンライン申請時)
対象の年代であれば、就学等の有無に関わらず利用できます。健康保険に未加入の人、生活保護を受給している人などは制度の対象外です。
また市外へ転出する場合、資格証は転出日の前日まで使用できます。
高校生年代への拡大にともない、対象の子ども(平成22年4月2日〜令和2年4月1日生まれ)のいる世帯へ、令和8年3月中に新しい受給資格証が送付されます。同年4月以降はそちらを使ってください。
現在資格を持っている対象者は申請不要です。旧様式の資格証も、有効期間内であれば令和8年4月以降も利用できます。
全国共通の制度も忘れずに
- 妊婦のための支援給付… 5万円+こどもの人数×5万円
- 出産育児一時金… 子ども1人につき原則50万円
- 出産手当金… 健康保険の被保険者が産休を取ったとき
- 育児休業給付金… 2025年4月から手取り10割相当になる期間がある
- 児童手当… 2024年10月から高校生年代まで
保育園に入れるかどうかも見ておく
佐賀市の保育料は世帯の住民税所得割額と子どもの年齢クラスで決まります。3歳児クラスからは無償化で利用料が無償ですが、給食費などは別にかかります。
入りやすさは地域や園で差が出ます。佐賀市の点数の基準と空き状況を見ておくと、申し込む前に見通しを立てられます。
助成があっても残るもの
佐賀市は2026年1月から18歳年度末まで、上限つきの負担で受診できるようになりました。それでも、子どもが入院したときに家計を直撃するものは残ります。
- 入院時食事療養費、差額ベッド代、おむつ代(助成の対象外)
- 200床以上の病院を紹介状なしで受診したときの初診加算料(助成の対象外)
- 付き添いのために親が働けない期間の収入
医療費が助成されても、この3つは残ります。特に3つめは金額が読みにくく、きょうだいがいる家庭ほど影響が大きくなります。
とはいえ、子ども本人の医療保険より親に何かあったときの保障のほうが、家計への影響は大きくなります。順番を押さえたうえで、助成の対象外になる部分を埋めるのが無駄のない考え方です。
市外へ引っ越す可能性がある場合は、転居先で条件が変わる点も頭に置いておいてください。判断に迷うときは子育て世帯向けの無料相談のような窓口で、公的な保障の確認から整理してもらう手もあります。