渋川市の福祉医療制度では、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもの保険診療の自己負担分を市と県が助成します。入院時の食費の扱いに、めずらしいお願いが書かれています。ここでは市の公式情報をもとに整理します。
出さなくても無料の証を出してほしい理由
市は「子ども又はひとり親家庭等の資格をお持ちの人は、入院時の食費についても無料になります」としています。ここまでは食事代を助成する市と同じです。
そのうえで市はこう書いています。「子ども又はひとり親家庭等は、標準負担額認定証がなくても食費は無料になりますが、提示をしていただくことで、福祉医療制度の経費を節減することができます。この制度を将来にわたり安定して運営していくために、交付が受けられる人は標準負担額認定証の提示のご協力をお願いします」
認定証を出しても出さなくても、家庭の負担は変わりません。ただし出せば、食費の一部を保険者が負担するため市と県の持ち出しが減ります。「出さなくても損はしないが、制度を続けるために出してほしい」と正直に書いている市はほとんどありません。
標準負担額減額認定証は、住民税非課税世帯等に対して保険者(健康保険組合等)が申請により交付するものです。国民健康保険または後期高齢者医療に加入している人は保険年金課または各行政センターで申請でき、交付が受けられるかの相談もできます。社会保険等に加入している人は加入先の保険者に問い合わせます。
学校でのケガは市が立て替えています
市は「子どもが保育所や幼稚園、小・中・高等学校(登下校中を含む)でケガをして医療機関・接骨院等を受診した場合、所定の手続きをすると、『日本スポーツ振興センター災害共済給付制度』から見舞金や医療費が支給されることがあります。医療費は福祉医療制度で一時的に立て替えていますので、学校などでケガをして医療機関・接骨院等を受診する(した)場合は、必ず学校などに連絡してください」としています。
窓口で無料になっているのは市が肩代わりしているからで、本来は災害共済給付から出るお金です。連絡を忘れると、その分が制度に残ったままになります。登下校中も含まれる点にも注意してください。
高額療養費に該当すると窓口で払うことがあります
市は「社会保険に加入している人で、自己負担分の医療費が高額療養費に該当する場合、自己負担限度額を超える分をいったん医療機関の窓口で支払うことになります。その分は高額療養費として戻りますので、加入している社会保険等に確認してください」としています。
さらに「医療機関の窓口で支払った額と、社会保険等から高額療養費で戻る金額に差が生じる場合があります」とされ、その場合は領収書(診療内容のわかるもの)、高額療養費決定通知、受給資格者証、保険資格のわかるもの、限度額適用認定証(持っている場合)、振込先の口座番号がわかるものを持って手続きします。領収書はコピー可です。
市は限度額適用認定証またはマイナ保険証を窓口に提示すれば、社会保険等への高額療養費の請求手続きを省けるとしています。入院が決まったら先に用意しておくのが早いです。
県内から転入するなら証明書が要ります
受給資格の申請には保険資格のわかるもの(資格確認書等)が必要で、市は「前住所地の交付状況証明書(県内転入者のみ)も必要になります」としています。受給資格認定申請(こども)は電子申請が可能です。
支給できるものは、保険適用分の一部負担金、療養の給付、入院時食事療養費(条件を満たす場合)、保険外併用療養費、療養費(治療用装具)、訪問看護療養費です。支給できないものは、ベッド代差額、紙おむつ代、薬の容器代、文書料、生活療養費、健康診断料、予防接種料、保険診療外の治療費、選定療養(紹介状無しで、大規模な医療機関を受診した場合等)です。
渋川市を転出すると転出日から受給資格がなくなります。市は「資格喪失後に使用した場合、医療費を返還していただきます」としているので、受給資格者証は必ず返却してください。県外で受診したときは窓口で自己負担分を支払い、後日手続きすると翌月以降に保険診療の自己負担分が口座に支払われます。
保育料や預け先も合わせて考える
医療費の負担が軽くても、家計に効いてくるのは保育料の決まり方と育休中の収入のほうです。渋川市の保育所の状況は渋川市の保育園入園シミュレーターで確かめられます。
出産前後には出産手当金や妊婦のための支援給付、出産費用と保険も関わってきます。子ども医療費助成の全国的な仕組みを押さえたうえで、親に何かあったときの保障を先に確かめる順番が無駄になりません。
市外へ引っ越す可能性がある場合は、転居先で条件が変わる点も頭に置いておいてください。入院時の食費の扱いは自治体で分かれます。判断に迷うときは子育て世帯向けの無料相談のような窓口で、公的な保障の確認から整理してもらう手もあります。