杉並区は出生から18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(高校卒業相当)の子どもにマル乳・マル子・マル青医療証を交付し、保険診療に係る医療費の自己負担分を助成します。押さえておきたいのは遡って認定されるのが15日以内という点と、入院時の食事代が助成の対象外という点です。ここでは区の公式情報をもとに整理します。
対象になる条件
次の1から3のいずれの要件にも該当する人が対象です。
- 杉並区内に住所を有する子ども
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども
- 国民健康保険または社会保険等の日本の医療保険制度に加入している子ども
生活保護を受けている場合、児童福祉施設等に措置により入所している場合、その他、医療費が公費等で賄われる場合は対象外です。
杉並区外に住所を有する子どもは助成対象外です。各自治体によって実施状況が異なるため、子どもが住んでいる区市町村へ問い合わせてください。
入院時の食事代は対象外です
助成の対象にならないのは、保険診療外の医療費(薬剤などの容器代、診断書などの文書料、選定療養費、差額ベッド代、おむつ代、健康診断、予防接種等)と、入院時の食事療養標準負担額等です。
東京23区でも入院時の食事代の扱いは分かれます。世田谷区・練馬区・大田区・江戸川区は助成の対象ですが、杉並区は対象外です。入院が決まったときの見積もりに、食事代を入れておいてください。おむつ代が名指しで対象外になっている点も同じです。
遡れるのは15日以内です
原則、申請月の1日(出生日・転入日が1日以外の場合はその日)から認定され、医療証が交付されます。
出生・転入月の翌月に申請した場合でも、申請が出生日・転入日の翌日から数えて15日以内であれば、出生日・転入日に遡って資格を認定します。15日を経過している場合は、子ども医療・手当係へ相談してください。
世田谷区や江戸川区の3か月、大田区の6か月と比べると、杉並区の15日はかなり短い設定です。出産や引っ越しの直後は忙しくなりますが、2週間を目安に手続きを済ませるつもりでいるのが安全です。
なお郵送による申請は、子ども医療・手当係に申請書が届いた日を申請日とします。投函日ではありません。急ぐときは窓口かオンライン申請のほうが確実です。
申請するのは「監護している人」
子どもを監護している人が申請します。監護とは、区の説明によれば「子を監督、保護し、面倒を見ていること」です。申請者は原則、子どもと同居している人(複数いる場合は所得の高い方)になります。
| 状況 | 追加で必要な書類 |
|---|---|
| 子どもと保護者が別居している | 別居監護申立書 (同居の保護者がいない場合、別居の保護者が申請する) |
| 高校生等が就職、結婚等により保護者の監護下にない | 生計維持に関する申立書と申立内容を証明する書類 (被保険者が高校生等本人の医療保険の資格内容がわかるものの写し、給与明細の写し、雇用証明等) この場合は子ども本人が申請する |
高校生等が何人からも監護されていない場合は、当該高校生等本人が助成対象者として申請できます。就職して独立した高校生でも、自分で申請すれば助成を受けられます。
申請方法
- オンライン申請… 子どもの医療保険の資格内容がわかるもの(マイナポータル内「医療保険の資格情報」のスクリーンショット、資格確認書等)を用意します
- 窓口… 子ども家庭部管理課子ども医療・手当係(区役所東棟3階)、区民課区民係(区役所東棟1階)、区民事務所
- 郵送… 医療証交付申請書に、子どもの医療保険の資格内容がわかるものの写しを添付します
医療証の種類と更新
| 医療証 | 対象 |
|---|---|
| マル乳(乳幼児医療証) | 出生から6歳到達後3月31日まで |
| マル子(義務教育就学児医療証) | 6歳到達後4月1日から15歳到達後3月31日まで |
| マル青(高校生等医療証) | 15歳到達後4月1日から18歳到達後3月31日まで |
加入している医療保険によっては、医療証に代わり受給資格証明書が交付されます。
医療証は毎年10月1日に更新されます。子どもの年齢に応じて4月1日にマル乳からマル子、マル子からマル青へ切り替わります。更新・切り替えに伴う手続きは原則不要です。
都外で受診したときは1〜2か月かかります
| 受診先 | やること |
|---|---|
| 東京都内 | 医療機関等の窓口にマイナ保険証等と医療証を一緒に提示する。保険診療に係る自己負担分の支払いは不要 |
| 東京都外 | マイナ保険証等を提示して自己負担分を支払う。後日、子ども医療・手当係の窓口または郵送で払戻しの申請をすると、原則1〜2カ月程度で指定の口座に振り込まれる |
都外受診の払い戻しは入金まで1〜2か月かかります。帰省先や旅行先で受診したときは、領収書を捨てずに取っておいてください。
全国共通の制度も忘れずに
- 妊婦のための支援給付… 5万円+こどもの人数×5万円
- 出産育児一時金… 子ども1人につき原則50万円
- 出産手当金… 健康保険の被保険者が産休を取ったとき
- 育児休業給付金… 2025年4月から手取り10割相当になる期間がある
- 児童手当… 2024年10月から高校生年代まで
保育園に入れるかどうかも見ておく
杉並区の保育料は世帯の住民税所得割額と子どもの年齢クラスで決まります。3歳児クラスからは無償化で利用料が無償ですが、給食費などは別にかかります。
入りやすさは地域や園で差が出ます。杉並区の点数の基準と空き状況を見ておくと、申し込む前に見通しを立てられます。
窓口負担がなくても残るもの
杉並区は都内の医療機関なら保険診療の自己負担分を払わずに受診できます。それでも、子どもが入院したときに家計を直撃するものは残ります。
- 入院時の食事療養標準負担額(助成の対象外)
- 個室を希望したときの差額ベッド代、入院中のおむつ代(助成の対象外)
- 付き添いのために親が働けない期間の収入
医療費が助成されても、この3つは残ります。特に3つめは金額が読みにくく、きょうだいがいる家庭ほど影響が大きくなります。
とはいえ、子ども本人の医療保険より親に何かあったときの保障のほうが、家計への影響は大きくなります。順番を押さえたうえで、助成の対象外になる部分を埋めるのが無駄のない考え方です。
区外へ引っ越す可能性がある場合は、転居先で条件が変わる点も頭に置いておいてください。判断に迷うときは子育て世帯向けの無料相談のような窓口で、公的な保障の確認から整理してもらう手もあります。