遠野市の子ども医療費給付は、令和6年8月から完全無償化されました。対象の決め方が住所だけではないところが他市と違います。ここでは市の公式情報をもとに整理します。
令和6年8月から完全無償化
市は「0歳から高校生年代(18歳の年度末まで)の子ども医療費給付について、令和6年8月から所得制限を撤廃するとともに、一部負担金を廃止して完全無償化します」としています。受給者証を提示して診察・調剤を受ければ、窓口での自己負担はありません。
市外に住んでいても市国保なら対象です
対象になるのは次のどちらかに該当する子どもです。
- 遠野市にお住まいで健康保険に加入している
- 遠野市以外の市町村にお住まいで、遠野市国民健康保険に加入している
住所が市外でも、遠野市の国民健康保険に入っていれば対象になります。生活保護を受けている人は要件を満たしても対象になりません。
他市町村で別の医療費助成制度を受けている場合は、そちらが優先になる場合があります。
無償化されても所得審査は残ります
市は「岩手県(所得制限内)・遠野市(所得制限外)のどちらの補助対象か判断するため、所得審査を行います。未申告の場合、審査ができませんので、必ず申告してください」としています。自己負担がゼロになっても、所得の申告は必要です。
県補助かどうかの判定に使われる所得制限額は、扶養親族等が0人で288万円、1人326万円、2人364万円、3人402万円、4人440万円、5人478万円です(老人控除対象配偶者または老人扶養親族1人につき10万円、特定扶養親族1人につき15万円が加算されます)。保護者の1月1日時点(申請日が1〜7月なら前年1月1日)の住所地が遠野市でなかった場合は追加の書類が要り、住民税等の賦課決定が行われるまで受給者証が交付できない場合があります。
受給者証は毎年7月下旬に届きます
登録後は毎年更新審査が行われ、要件を満たしていれば毎年7月下旬に住所地へ受給者証が送付されます(手続きは原則不要)。ただし市は「交付申請(受給者台帳への登録申請)をしない場合は毎年の審査が行われませんので、ご注意ください」としています。最初の申請だけは自分で出す必要があります。
年齢到達(小学校就学)の際は対象年齢の保護者全員に案内が届きます。転入等により申請する場合は、転入等の翌月末までに交付申請をします。その他の事由の場合は、原則として交付申請のあった月の初日から有効な受給者証が交付されます。
市窓口への申請が必要な3つの場合
- 窓口で医療費受給者証を提示し忘れた
- 岩手県外の医療機関を受診した
- 治療用装具の購入により医療費受給者証が使用できなかった
市は「現在、現物給付に未対応の医療機関があります」ともしています。県内でも窓口無料にならないことがあるので、その場合も同じ手続きになります。
医療機関では請求されたとおり支払い、保険診療が確認できる領収書を持って支払いから5年以内に市窓口(とぴあ庁舎市民課または宮守総合支所)で給付申請をします。領収書を紛失した場合は、所定の様式に医療機関から証明を受けることで代用できます。給付は審査のうえ受診月の2か月後以降の月末です。
窓口での支払いが困難な場合は、福祉医療資金貸付制度を利用できます。また高額な保険診療(手術や入院など)の前に限度額適用認定証の交付を受けておくと、医療機関での支払いが自己負担限度額までになります。住民税非課税の場合は「限度額適用・標準負担額減額認定証」で入院時の食事代等の軽減も受けられます。
助成されないもの
- 健康診断、予防接種、薬の容器代、差額ベット代、文書料、入院時の食事代
- 紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診時選定療養費
- 学校等で怪我をした場合など、日本スポーツ振興センター法による医療費が給付される場合(その場合は医療費受給者証を使用しない)
- 交通事故等、第三者行為により治療が生じた場合
市は「受給者証を誤って使用した場合は、上記及び市から二重に給付を受けていることになりますので、市へ給付額相当分を返還していただきます」としています。学校のけがや交通事故のときは、窓口で受給者証を出さないよう注意が要ります。
保育料や預け先も合わせて考える
医療費の負担が軽くても、家計に効いてくるのは保育料の決まり方と育休中の収入のほうです。遠野市の保育所の状況は遠野市の保育園入園シミュレーターで確かめられます。
出産前後には出産手当金や妊婦のための支援給付、出産費用と保険も関わってきます。子ども医療費助成の全国的な仕組みを押さえたうえで、親に何かあったときの保障を先に確かめる順番が無駄になりません。
市外へ引っ越す可能性がある場合は、転居先で条件が変わる点も頭に置いておいてください。加入している国民健康保険の保険者で対象が決まる仕組みは、他市ではあまり見かけません。判断に迷うときは子育て世帯向けの無料相談のような窓口で、公的な保障の確認から整理してもらう手もあります。