一時預かりは、枠組みは国、中身は市町村という事業です。こども家庭庁の「一時預かり事業実施要綱」が目的・類型・職員の配置・低所得世帯への負担軽減を決め、使える理由、月の上限日数、料金、登録と予約の方法は市町村が決めます。だから隣の市と条件が違うのが普通です。この記事では、国の要綱に書いてあることと、自治体で違うところを分けて説明します。登録の手順と持ち物は一時預かりの登録に、2026年度から始まった就労要件のない通園はこども誰でも通園制度にまとめています。
国の要綱が決めていること
目的と対象
要綱は、保育所等を利用していない家庭でも「日常生活上の突発的な事情や社会参加」で一時的に保育が難しくなること、「育児疲れによる保護者の心理的・身体的負担を軽減するための支援」が必要なことを目的に挙げています。リフレッシュ目的は、国の要綱の段階で事業の目的に入っています。
実施主体は市町村(特別区を含む)で、市町村が認めた者に委託できます。対象は、主として保育所・幼稚園・認定こども園等に通っていない乳幼児です。
6つの類型
| 類型 | どこで | 誰を |
|---|---|---|
| 一般型 | 保育所・幼稚園・認定こども園・地域子育て支援拠点・駅周辺など | 主に保育所等に通っていない乳幼児。当分の間、入所が決まるまでの定期的な「緊急一時預かり」も対象(実施計画の採択を受けた市町村) |
| 幼稚園型Ⅰ | 幼稚園・認定こども園 | 在籍する満3歳以上の幼児(教育時間の前後・長期休業日) |
| 幼稚園型Ⅱ | 幼稚園 | 当分の間、保育を必要とする0〜2歳児を定期的に預かる |
| 余裕活用型 | 定員に空きのある保育所・認定こども園・家庭的保育事業所など | 空き定員の範囲で預かる |
| 居宅訪問型 | 子どもの自宅 | 障害・疾病で集団保育が著しく困難、ひとり親家庭で一時的に夜間・深夜の就労、離島などで一時的に就労する場合 |
| 地域密着Ⅱ型 | 地域子育て支援拠点・駅周辺など | 主に保育所等に通っていない乳幼児。他の類型を実施できない場合 |
保護者が意識するのは一般型と余裕活用型です。「近所の保育園が一時預かりをやっている」のは、たいていこのどちらかです。
職員の配置
一般型では、乳幼児の年齢と人数に応じて保育従事者を置き、そのうち2分の1以上が保育士、人数は2名を下回らないのが原則です(保育所と一体で実施し支援を受けられる場合、1日平均利用が3人以下の場合などの例外があります)。預け先の質を心配する人は、この基準を知っておくと安心材料になります。
料金と負担軽減
- 要綱は「必要な経費の一部を保護者負担とすることができる」としており、額は市町村が決めます。災害特例型は保護者負担を求めません。居宅訪問型は自宅までの交通費を実費でもらえます
- 低所得世帯等の利用者負担額には国の補助があります(一般型・余裕活用型・居宅訪問型・地域密着Ⅱ型)。補助基準額は児童1人あたり日額で、生活保護世帯3,000円、市町村民税非課税世帯2,400円、所得割合算額7万7,101円未満の世帯2,100円、要支援児童等のいる世帯など市町村が特に認めた世帯1,500円です。自治体の「減免」はこの補助を使っていることが多いので、非課税世帯やひとり親世帯は必ず案内を確かめてください
- 保育の必要性の認定(新2号・新3号)を受けていれば、一時預かりの利用料も施設等利用給付の対象になります。上限額と条件は認可外保育施設の無償化を参照してください
里帰り出産
出産や介護で一時的に里帰りする場合、里帰り先の市町村が適当と判断すれば、住所地の保育所等に在籍している子どもも里帰り先で一時預かりの対象にしてよいことになっています。里帰り先の自治体に問い合わせる価値があります。
自治体で違う7つのこと
1. 使える理由の区分
多くの自治体は「非定型的就労(週に数日の仕事など)」「緊急(通院・冠婚葬祭・介護)」「私的理由(リフレッシュ)」の3つに分け、区分ごとに上限日数や料金を変えています。区分の名前も内容も自治体ごとです。
2. 上限
「月○日まで」「年○日まで」「週○日まで」「連続○日まで」など、上限の単位が違います。リフレッシュ利用だけ上限が低い自治体もあります。
3. 料金の単位
1時間あたり、半日、1日、月額登録料の有無、給食・おやつ代が込みか別か。同じ「1日2,000円」でも食事代の扱いで実質が変わります。
4. 対象年齢
生後57日から、6か月から、1歳からなど、下限が施設や自治体で違います。
5. 登録
自治体に一括登録する方式と、施設ごとに登録する方式があります。面談や慣らし利用を求める施設もあります。
6. 予約
電話・窓口・LINE・予約システム、受付開始が「利用月の前月○日から」など。受付開始日に埋まる施設もあるので、予約方法と開始日は最初に確かめるべき項目です。
7. 実施施設
公立保育所だけ、私立園も含む、地域子育て支援拠点や認可外施設も含む、と幅があります。自治体の一覧ページを見て、家から通える施設を2〜3か所登録しておくのが現実的です。
公式ページで確かめた自治体の一覧
このサイトが公式ページを1つずつ確かめた43自治体です。自治体名を押すと、理由の区分・上限・料金表・登録と予約・実施施設・こども誰でも通園制度の時間まで載せた記事に移ります。表の料金は代表的な区分1つだけで、区分ごとの額は記事にあります。
| 都道府県 | 自治体 | 一時預かりの上限 | 料金(代表例) | 誰でも通園の月時間 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 札幌市 | 利用日数の上限は公式ページに記載がなく、事前登録の必要性など運用は施設ごとに異なる… | 就労・就学・通院や入院・体調不良・介護看護・社会的活動・冠婚葬祭等の理由: 1日の上限が3歳未満2,000円、3歳以上1… | 月10時間まで |
| 宮城県 | 仙台市 | 非定型的保育は月64時間未満、緊急保育は2週間を限度、私的理由による保育は週3日を限度 | 3歳未満児は日額2,400円(半日利用の場合は1,200円)、3歳以上児は日額1,200円(半日利用の場合は600円)… | 実施施設において月10時間以内… |
| 埼玉県 | さいたま市 | 週3日以内(リフレッシュは月1回のみ) | 公立保育園: 1日 2,000円(1~2歳児)、1日 1,950円(3~5歳児) | こども1人につき月10時間まで(未利用時間の翌月への繰り越しは不可) |
| 千葉県 | 千葉市 | 定期利用は週2日または3日の特定の曜日(1人1園まで)… | 定期利用(月額): 3歳未満児は週2日18,300円・週3日26,100円、3歳以上児は週2日9,400円・週3日13,… | 月10時間まで(1回につき1時間以上、30分単位… |
| 東京都 | 葛飾区 | 事前の利用登録をすれば随時利用でき、数時間から数日単位で利用できる(日数の上限の記載なし)… | 保育料金は無料(食材料費・おやつ含む) | 子ども1人あたり月10時間… |
| 東京都 | 江戸川区 | 利用回数は実施施設によって異なる… | 各施設が設定した金額… | 子ども1人につき月24時間まで(全対象施設を通しての時間)… |
| 東京都 | 江東区 | 理由によって異なる… | 0歳児: 4時間以内2,000円、8時間以内4,000円(食事代を含む) | 江東区民が区内施設を利用する場合、児童1人あたり月40時間(全国共通の月10時間に区独自で30時間を上乗せ)… |
| 東京都 | 港区 | 月8回以内… | 区立保育園5園の一時保育: 1日ひとり3,000円、5時間以内ひとり1,500円 | 原則、週2日の定期利用で、利用可能時間は月24時間を上限(週1日のみ利用の施設もある)… |
| 東京都 | 荒川区 | 一世帯につき1か月あたり10回まで(複数園を利用する場合も合計で10回まで) | 4時間以内の利用 2,000円 | 子ども1人につき1か月あたり10時間まで |
| 東京都 | 渋谷区 | 公立保育園および民営の多くの施設は月最大8日… | 公立保育園(恵比寿・富ヶ谷・新橋・大向・笹塚第二)の一時保育: 1日4時間以内2,000円、8時間以内3,000円 | 児童1人あたり最大月64時間(3歳の誕生日の前日からは月54時間)… |
| 東京都 | 新宿区 | 区立園の専用室型は月7日以内(抽選は4日まで申込可)… | 区立認可保育園・認定こども園(専用室型): 2,300円/日(食材料費300円含む) | 月〜金のうち原則週2日または週3日の定期利用で、利用時間は午前9時〜午後5時の原則8時間(東京都の上乗せ事業を活用し、国… |
| 東京都 | 杉並区 | 一時預かり(プラザ)とひととき保育は1施設につき同一月内に原則10回まで(1時間単位)… | 一時預かり(子ども・子育てプラザ): 1時間800円(お迎え時にプラザで支払い… | 月10時間… |
| 東京都 | 世田谷区 | 私立保育園・一時保育専用施設の一時保育は原則6か月(相当の事由があれば更に6か月延長可)で週3日程度… | 私立保育園・認定こども園・一時保育専用施設の一時保育: 令和8年4月から利用料は無償(区が直接負担)… | 区民は最大月48時間(国制度10時間+区上乗せ枠38時間)… |
| 東京都 | 千代田区 | 保育園・こども園の一時保育は原則1か月以内… | 保育園・こども園の一時保育: 児童1人につき1日1,600円、延長保育は1時間につき200円加算 | 1人あたり月10時間まで |
| 東京都 | 足立区 | 利用できる日は施設の開園日で受け入れ可能な日… | 一般:1人あたり1時間500円(給食代・おやつ代別途) | 対象児童1人あたり月10時間まで… |
| 東京都 | 台東区 | サポート1(出産・入院等)は原則1か月以内(出産は出産予定日の42日前から出産後56日の間)… | サポート1(出産・看護等):1時間150円(里帰り出産対象は1時間300円)、昼食250円、おやつ50円/食(1日最大2… | 児童1人あたり月10時間まで(未利用時間の翌月以降への繰り越し不可)… |
| 東京都 | 大田区 | 施設ごとに異なる… | 各施設ごとに保育料金が異なる(施設に問い合わせ) | 国制度の月10時間に加え、区内の同一施設で10時間を使った場合はその施設で追加150時間(都制度)が使え、合計で最大月1… |
| 東京都 | 中央区 | 一時預かり保育は1時間単位で1か月先の日まで予約できる(日数の上限の記載なし)… | 一時預かり保育: 1時間800円(30分の利用も1時間分の料金) | 月20時間(1日上限8時間)の枠内で定期的に利用… |
| 東京都 | 中野区 | 区立保育園2園合わせて月5日間まで | 区立保育園(本町・中野): 1時間650円… | 子ども1人あたり月10時間まで(複数施設・区内外を通算)… |
| 東京都 | 板橋区 | 記載なし | 私立保育園・小規模保育園等: 保育年齢・保育時間・利用料金は各施設によって異なる(区を介さないため施設に直接問い合わせ) | 児童1人あたり月10時間まで… |
| 東京都 | 品川区 | 利用開始日から2カ月以内… | 区立保育園の一時保育: 児童1人につき1日2,000円(各月の利用最終日に合計額を一括で園に支払う) | 月30時間までの利用時間を上限に定期的な預かりを実施 |
| 東京都 | 文京区 | 1か月の利用は緊急一時保育と合わせて10回まで… | リフレッシュ一時保育: 保育時間1時間につき800円(最低料金は3時間2,400円) | 記載なし |
| 東京都 | 豊島区 | 区立保育園一時保育は予約回数に制限がないが、一度に3回分まで予約可能… | 区立保育園一時保育:1時間500円(端数切り上げ)、給食希望時は別途300円… | 区内在住者が区内施設を使う場合は月16時間まで(8時間×2日、4時間×4日など内訳は施設による… |
| 東京都 | 北区 | 記載なし | 基本(4時間まで)2,000円… | 児童1人あたり「月10時間」を上限にご利用いただけます… |
| 東京都 | 墨田区 | 一時保育は保育園ごとに子ども1人につき同一月4日以内… | 一時保育:5時間以内は2,000円、5時間超(1日以内)は3,000円… | 月10時間を上限(翌月への繰り越しなし) |
| 東京都 | 目黒区 | 認可保育所は原則1人につき(認可保育所全体で)週2回まで、小規模保育所は各施設で週2回まで… | 1時間500円… | 子ども1人当たり、最大月10時間まで |
| 東京都 | 練馬区 | 記載なし | 保育料は実施保育園ごとに異なる(登録方法・利用方法とあわせて実施保育園に問い合わせ)… | 週1回程度、1日8時間まで(上限は月48時間… |
| 神奈川県 | 横浜市 | 一時保育は月に合計120時間以内(児童一人当たり、複数園利用時は合計)… | 一時保育(0~2歳児クラス):1時間あたり300円(1人あたり)、日額上限2,400円 | 一人あたり月10時間まで(毎週同じ曜日・時間帯に利用する定期利用を推奨)… |
| 神奈川県 | 川崎市 | 週3日以内または月64時間未満 | 1日あたり:1歳未満児2,900円、3歳未満児2,500円、3歳以上児1,500円(川崎市において設定した金額が上限… | 月10時間(同月中に複数の施設を利用した場合は、各施設の利用時間の合計が月10時間まで) |
| 神奈川県 | 相模原市 | 特定保育型は原則として継続的に週3日以内… | 特定保育型(公立施設)1日 3歳未満児 2,070円(給食費(主食・副食)含む) | 記載なし |
| 新潟県 | 新潟市 | 拠点園は月14日まで(原則)、緊急園は月7日まで(原則)… | 基本料金:午前8時半から午後4時までの利用時間が4時間以内は900円、4時間超は1,800円… | 月10時間(国の制度基準) |
| 静岡県 | 静岡市 | 就労などは週3日以内、病気・出産・冠婚葬祭などは連続14日以内、育児疲れの解消などは月3日以内 | 満3歳未満: 1回2,000円(使用料1,750円、給食・おやつ代250円) | 月10時間 |
| 静岡県 | 浜松市 | 妊娠・出産は週5日以内(産前6週間〜産後8週間)、入院は入院期間中(入院初日から2か月まで)、就労・就学・疾病・介護・育… | 0〜2歳児: 4時間以上 1回2,000円、4時間未満 1回1,200円 | 子ども1人あたり1日1回(2時間、発達に応じて連続2回4時間まで)、1か月に5回まで(最大10時間) |
| 愛知県 | 名古屋市 | 非定型保育は週3日以内で最長6ヶ月;緊急保育は連続14日以内(年度内1回、再申請1回可);リフレッシュ保育は1か月3日以… | 市町村民税所得割額40,800円以上の世帯: 6時間まで1,200円、8時間まで1,600円、10時間まで2,000円 | 子ども1人あたり1か月10時間まで(1回1時間以上、30分単位… |
| 京都府 | 京都市 | 就労等による利用は週に1〜3日程度… | 市営保育所の標準日額利用料: 3歳未満児 2,100円/日、3歳以上児 1,200円/日(市民税非課税世帯は800円/日… | お子さん1人当たり月12時間を上限に利用可能… |
| 大阪府 | 堺市 | 一時預かり事業はパート就労(平均週3日程度)などで利用(日数の上限は施設に確認)… | 平日(月〜土)3歳未満児: 8時間2,700円、4時間1,500円 | 月10時間まで |
| 大阪府 | 大阪市 | 緊急・一時的に利用する場合は2週間以内、断続的に利用する場合は週3日以内 | 平日(月曜日~土曜日):0歳児1日2,700円、1・2歳児1日2,000円、3歳児以上1日1,200円(別途昼食代等が必… | こども1人あたり1か月10時間まで |
| 兵庫県 | 神戸市 | 非定型保育は1週間あたり平均3日まで、緊急保育は保育が必要な事情ごとに14日まで、リフレッシュ保育は1か月あたり7日まで… | 非定型保育:日額2,400円(4時間以下1,200円) | こども1人につき、月10時間まで利用可能 |
| 岡山県 | 岡山市 | 就労・就学等は週3日以内、疾病・災害・出産・看護・介護は1か月以内 | 1・2歳児:4時間以上 1日3,000円、4時間未満 1日1,500円(給食費別) | 1人あたり月10時間が上限(1回の利用時間は1時間以上、以降30分単位) |
| 広島県 | 広島市 | 非定型的保育は月9日以内、緊急保育は原則14日以内、私的理由による保育は月9日以内、待機児童等対応保育は月10日以上で必… | 利用料は各実施施設によって異なる(施設一覧で確認) | 月10時間 |
| 福岡県 | 福岡市 | 月14回まで利用できます | 利用料は施設によって異なる(1時間あたり… | 週に1回(固定の曜日)の定期利用が原則… |
| 福岡県 | 北九州市 | 断続的保育は週3日を限度、緊急保育は利用する日から14日を限度、育児リフレッシュ保育は週3日を限度 | 3歳未満児は日額2,000円 | 月10時間を上限に利用可能(翌月への繰り越しはできない) |
| 熊本県 | 熊本市 | 1か月に13日以内(週3日程度)… | 1日当たり2000円程度(各保育園等によって違う) | 月10時間を上限 |
予約のコツ
- 受付開始日と方法を控えておく。月初に埋まる施設は、予約開始の時刻に動く
- 理由の区分で上限が変わるなら、通院などの「緊急」を先に使い、リフレッシュ枠は残しておく
- 減免の対象なら、登録時に申請しておく(後から遡れないことがある)
- こども誰でも通園制度の対象(0歳6か月〜3歳未満の未就園児)なら、月の時間枠をそちらで使い、一時預かりは理由のある日に回すと両方の枠を活かせる